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梨籠

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 収穫した梨を入れ、市場への出荷に用いる。需要の最盛期は一日に何十と作った。梨籠には大籠と半籠という二つの規格の型があり、それに合わせて作った。梨の最盛期で手が足りないときは近所の人や子供たちにも底組みを手伝ってもらったが、次の過程のタチアゲとヘリマキは籠職人が行った。完成した梨籠は五〇個くらいずつ束ねて、リヤカーに乗せて白岡の梨屋に届けた。こちらから届けられないほど製作が忙しいときは梨屋が取りにきた。籠屋と梨屋は付き合いがだいたい決まっていた。梨籠は昭和二三年ごろで一個三、四円だった。梨籠を一日三〇個作ることができれば一人前であるといわれた。

2-25 梨籠