現在は二つ重が主流である。しかし、二〇年前の二つ重は間口三尺一寸が主流であったが、現在は三尺五寸であり、これは羽織の丈を折らずにしまうことができる大きさである。また、引出も以前は深さがあるものが二ハイであったが、現在は浅いものが三ハイである。現在、最も多く作っているのは下三大洋(シタサンオオヨウ)である。下三とはシタダイに引出が三ハイ、大洋とはウワダイにトビラがあり、中にオボンが入っているものをいう。大洋とは大洋服の略で、明治末期以降、和服から洋服への変遷の中で、中にパイプを通し洋服を掛けて収納する、開きの扉の付いた桐箪笥が登場し、こうした桐箪笥を大洋服(洋服箪笥)というようになった。また、現在の桐箪笥は、より高級感を出すために隅が面取りになっているものが多い。さらに高級感を出すためにシホウマルといって四つの隅のすべてが面取りになっているものもある。
2-36 下三大洋
図10 箪笥の部分名称