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目次
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第二章 生産生業
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第二節 諸職
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四 折箱屋
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(二)折箱の種類と製作技術
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1 折箱の種類
笹折と杉折
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笹折はマツの厚経木を用いた折箱で、これには菓子折、赤飯折、弁当折、寿司折、料理折、佃煮折などがある。杉折はスギの四分板を用い、これで菓子箱、佃煮箱、料理箱、茶碗箱、扇子箱、掛軸箱などの箱物をはじめ、舟皿や結納台などを製作する。
折箱は、その材が食品の湿気を吸って適度に放出するので、食品が腐りにくい。これが最大の長所である。
折箱の角には角切(すみきり)と角丸(かどまる)があり、角が立つのを嫌う祝儀には角丸が用いられる。また、両者の中間には角切角丸がある。トメと組接は杉折の接合方法であり、前者は料理盆、後者は刺身の冊取りに用いられることが多い(図15)。
図15 折箱の角の形態