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ガリ取りと裁断

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 笹折のガワ(側面)を直角に曲げるには、曲げる部分に溝を切る必要があり、この作業をガリ取りという。ガリ取りには、専用の定規とガリ台が用いられる。
 定規は初代春吉氏と二代目勇氏の手作りであり、笹折の種類に応じて使い分けられる(2-57)。

2-57 仕事場に掛けられた定規

 ガリ台は、ガリ鉋を取り付けて溝を切る台であり、初代春吉氏が修業先の親方と試行錯誤の末に完成させたものである。材はサクラで、これは刃を傷めない。したがって、ガリ台に限らず刃物を使用する台にはサクラが用いられる。
 ガリを取るには、ガリ台に定規を固定して厚経木を当て、定規のしるしに合わせてガリ鉋で溝を切る(2-58)。溝の角度は九〇度よりやや広し、その調整は長年の経験と勘が頼りである。

2-58 ガリ取り

 ガリ取りがすむと、厚経木を数枚ずつ重ねてオトシの機械に通し、折箱の深さに合わせて裁断をする(2-59)。

2-59 オトシの機械で厚経木を裁断する