ビューア該当ページ
目次
/
第二章 生産生業
/
第二節 諸職
/
四 折箱屋
/
(二)折箱の種類と製作技術
/
2 笹折の製作技術
角丸と角切の作り方
138 ~ 139 / 772ページ
角丸や角切は、直角に曲げるよりも手間がかかり、特に、角丸の美しい円弧を作るには高度な技が必要とされた。
角丸は、曲尺の八分間に五本の溝を切って曲げる(図18)。溝の深さが均等でないと、曲げたときに美しい円弧はできない。初代春吉は鋸で一本ずつ溝を切り、これを太陽にかざして材の透け具合で溝の深さを確かめた。現在は、回転式の五本歯が付いた機械を使用しており、これに厚経木を通すと一八度の溝を一度に五本切ることができる。
図18 角丸の作り方
角切は、角切鉋で四五度の溝を二本切って曲げる(図19)。
図19 角切の作り方