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 桶の蓋は節がある板は使わなかった。また、蓋にサン(ツマミの部分)をつけるときは、抜けないようにアリサシにした。サンが蓋にはまる深さを計り、ケヒキで蓋のコバに線をつけ、ヒフクラというカンナで溝を掘り、ノコギリでハス(斜)に切り、ツキノミという薄いノミでつくとアリサシができる。蓋の厚みはツケハンダイなら六分、フロオケは薄く五分くらいだった。そのため、昔は「風呂に最後に入る人はフタを取れ。さもないとふやけっちゃう」と注意されたものである。

2-68 アリサシ