底板は板を合わせて作る。桶の底の寸法を測り、それより少し大きめの直径の円(九寸の底なら九寸三分)をブンマワシを使って、並べた板に描き、円に沿ってノコギリで切る。弧のところをビンタといい、ビンタに挟まれた板をナカイタという。ビンタとナカイタをつなげるのには糊は使わず、両端が鋭利になった竹のアイクギ三本でとめる。底板を止めるアイクギはガワをとめるアイクギよりも太い。アイクギでつなげるときはビンタからナカイタに向かって叩く。もし、ナカイタからビンタに向かって叩くとコバがトンカチで凹んで隙間ができてしまう。
底板の周囲はキオロシといって五厘凹むか凹まないかくらいの溝を切ってはめる。底板は少し大きめに切ってあることと、キオロシをすることでピシッと止まる。