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奉公人出替わり

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 正月一五日は奉公人のデガワリ(出替わり)といい、この日には奉公人にヒマ(休み)を出し、奉公人は仕着せをもらって里帰りした。一五日の朝には小豆のお粥を作り、奉公人はこれを食べてから里帰りした。翌一六日の朝には、アカのご飯を炊いた。これは粳米に小豆を混ぜたご飯である。一六日の朝にアカのご飯を食べると、お正月は終わりになった。また、一五日、一六日はカギッツルシ(自在鉤)でも休むといい、この日にはすべての仕事を休む日であった。
 須賀上のある家では、一五日、一六日はサイニチで、カギッツルシでも休むといい、奉公人は休みが出る。かつて大きな農家などでは、子守りや農作業の奉公人を雇っていた。この奉公人の出替わりが一月一六日に行われた。
 内野のある家では、一五日、一六日と盆の一五日はカギッツルシでも休むという。この日は奉公人を休ませなければならないという。