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オシャカサマ(花祭り)

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 四月八日のお釈迦様の誕生日には、オシャカサマ、灌仏会(かんぶつえ)、花祭りといって、町内各地の寺院やお堂で甘茶をかける行事が行われる。寺院やお堂では、つつじやつばき、藤などの花で飾った花御堂を出し、参拝者はその中のお釈迦様の立像に小さな柄杓(ひしゃく)で甘茶を掛ける。

3-27 花御堂(中 宝生院)[1]


3-27 花御堂(中 宝生院)[2]


3-28 花御堂(須賀 真蔵院)

 本田のある家では、縁側にお釈迦様の立像を飾り、お参りに来た人はお釈迦様の立像に水をかけた。当家では参詣人に柏餅を振る舞う。当家では目の悪い人がいたのでお釈迦様を信仰するようになったという。このときの甘茶で目を拭くと目がよくなるという。
 東のある家では、四月八日をオシャカサマといい、藤の花とヨモギを家の柱に縛りつけた。オシャカサマには何か変わり物を作る。西光院では、ツツジで屋根を葺(ふ)いた御堂を作り、中にお釈迦様の立像を立て、お参りに来た人はお釈迦様に甘茶をかける。
 内野では、四月八日はお釈迦様の日で正福坊では留守居の人がいるときには花祭りが行われていた。ツツジとれんげで葺かれた小さな御堂の中にお釈迦様の立像が置かれていた。
 須賀上では、四月八日にお寺でお釈迦様に甘茶をかける行事が行われる。お釈迦様は花で屋根を葺いた花御堂の中に立っており、ここに甘茶をかける。この付近では真蔵院、長福寺で行われた。この甘茶は目の病に効くという。