東のある家では、七夕の馬は六日の午後から作って飾る。この馬は七夕が終わると二頭を一つに結わえて、一年間大神宮様の棚に飾ってから翌年の七夕に屋根に放り上げる。
3-40 大神宮様に上げられた七夕馬(東 S家)
辰新田のある家では、七夕が終わると真菰の馬は母屋や納屋の屋根に放り上げる。母屋には赤の色紙を巻いた雌を上げ、納屋には青の色紙を巻いた雄を上げる。納屋の屋根に上げるのは、馬に農作業で働いてもらうからであるという。放り上げるときには馬に紐を付けて、その紐を持って投げ上げる。笹飾りの処理は、かつては近くの川に流したが、現在は川に立てた後で燃やしてしまう。
須賀上のある家では、七夕が終わると真菰の馬は屋根に放り上げる。こうすると味噌の味が変わらないという。かつて笹飾りは、「七夕様が流してくれ」というので川へ流した。
中島のある家では、雌雄二頭の真菰の馬を六日に作って飾る。馬は「シロカキなどの農作業にかかせないので、穂の出た田んぼを見てもらう」ために田の周りを回すという。真菰の馬は七夕が終わると屋根に上げ、七夕飾りは川せがきといって川へ流した。