辰新田のある家では、送り盆は一五日の夕方早くにご飯を供え、お茶を上げてから行う。このときに近所では、きゅうりやナスにおがらで足を挿した馬を作って、家の出口のところに挿す。お盆様はこの馬に乗って帰って行くという。
須賀上のある家では、送り盆はゆっくりと一五日の晩にご飯を下げてから、ヒキ茶を上げ、夜の七時か八時過ぎに送る。送り盆のときには、お盆様が土産を背負って行くショイナワ(背負縄)といって、乾うどんを盆棚に供える。送り盆にはナスやきゅうりにおがらで足を挿して馬を作る。盆棚に飾った篠竹・色紙・おがらなどは丸めて川に流したが、近年はまとめておき処分する。盆棚に供えた果物などはお寺の先祖様の墓前に供えた。
須賀下のある家では、一六日の午後にお盆様を送る。送るときには盆棚に飾った笹や色紙などは墓地に持って行って燃やした。ほおずきなどの盆棚に上げたものは、無縁様のものと一緒に紙に包んでお土産として寺に持って行く。墓に行かないで送るときには用水の土手に花立てを立て、寺の方に向けてナスときゅうりで馬を作って土産を持って置いてくる。
3-47 送り盆(辰新田)