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高野の施餓鬼

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 新盆の家では八月二三日に杉戸町下高野永福寺の施餓鬼法要(高野の施餓鬼・どじょう施餓鬼ともいう)に行き、塔婆を上げ、因幡池にどじょうを放す。高野の施餓鬼にいくと高野のほおずきといって大きなほおずきや白岡から梨屋が梨を売りに来たので土産として買って来る。境内にはさまざまな店が立ち並び、昭和三〇年代にはガシャと呼ばれるクツワムシが竹籠に入れられ売られていたり、見世物小屋やサーカスが出たり、バイオリンを弾きながら歌の本を売る人などがいて大変賑わった。
 東の新盆の家では、必ず高野の施餓鬼にはお参りに行った。新盆で家族の者が施餓鬼に行かないと、「うちは新盆でも来なかったのか」と仏様が寂しがるという。高野の施餓鬼に行くと境内の出店で土産に梨やほおずき、瀬戸物などを買ってさて配る。

3-48 施餓鬼(和戸本郷 西方院)


3-49 高野の施餓鬼(板垣氏所蔵)

 逆井のある家では、二三日の永福寺の施餓鬼は近隣でも有名で大変にぎやかである。高野の施餓鬼は次のような歌にもなっている。
  盆と正月は
    来なくてもよいが
   来ればよい
     高野の施餓鬼は