旧暦の八月朔日をハッサクの節供・ショウガの節供という。ハッサクの節供は、三月の節供、五月の節供とともに三節供の一つである。この節供には嫁が実家に赤飯や餅をついてを持って泊まりに行く。実家から帰って来るときには、お重(寿司やおはぎ)などと一緒に一年目は「箕(み)」、二年目は「桝(ます)」を持ってくる。これは「箕枡をもらって、面倒ミマス(みます)」という意味があるという。
東のある家では、九月一日を八朔の節供といい餅を搗いた。餅は一いろではいけないといい、白い練り餅と赤い餅を搗いた。
辰新田のある家では、八朔節供は稲刈り前だからといって休んだ。また、嫁に来たばかりの人は実家に一晩くらい泊まりに行った。ほかの節供のときには農作業が忙しくゆっくりできない。実家には砂糖折りを土産に持っていき、帰りには赤飯を重箱でいただいてくる。近所にも実家に帰ったしるしとして何か配った。
逆井のある家では、九月一日は八朔の節供といい仕事を休んで節供を祝う。八朔の節供には、嫁いで間もない嫁は実家に泊まりに行く。この日は何か品変わりを持っていった。