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カビタリ餅

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 一二月一日にカビタリ餅(川浸り餅)といって餅を搗いて食べた。月遅れで正月を祝ったころには、カビタリがちょうど正月にあたり、餅を搗いてアラレ餅やかき餅にした。カビタリ餅は保存がよく、長持ちするという。
 逆井のある家では、一二月一日をカビタリといって、この日にはカビタリ餅を搗いて食べた。カビタリは昭和三〇年ころまでは東京の正月で、当町では二月正月であった。東京の正月にもカビタリで餅を搗いたという。
 須賀下のある家では、一二月一日にカビタリ餅を搗いた。二臼くらい搗いて、親戚に持っていった。この餅は神様に供えて、家族の者はお汁粉などにして食べた。このころの餅を寒餅といい、かびないで保存がきく。