一二月四日(ワセダイシ)、一四日(ナカテ・ナカダイシ)、二四日(オクテ・オクダイシ)の三回に大師ゲイ(大師粥)といって、団子の入った小豆粥を作った。これらの日の天候で翌年の稲の作柄を占う。例えば四日に大風が吹くと翌年の早稲は不作である。一四日が静かな天候だと中稲の出来が豊作であるという。
小豆粥はすべての神様に供える家と、仏壇、大師様、荒神様に供える家がある。この小豆粥を食べるときには熱くても吹いて食べてはいけないという。吹いて食べると大風になるという。山崎のA家では小豆粥と卵を供えるという。
辰新田のある家では、一二月四日をワセダイシ、一四日をナカダイシ、二四日をシマイダイシという。それぞれの日は稲の早稲、中稲、奥稲を表している。四日に大風が吹くと、「早稲が違いだ」などという。一四日が静かだと「中稲が当たりだ」などという。この日には小豆粥を作り、コザキで作った団子を入れて食べる。このダイシガユは塩を少し入れて作り、体が温まり美味かった。
須賀上のある家では、一二月四日、一四日、二四日をダイシガユという。四日をハツダイシ、一四日をナカダイシ、二四日をオクダイシという。これらの日には小豆粥を作って、仏壇の仏様と大師様、荒神様に供える。大師様にはたくさん上げるのでどんぶりで供える。これらの日の天候で、翌年の作柄を占う。例えば四日のハツダイシの日が静かだと「ハツダイシが静かなので来年は早稲が当たりだ」、一四日が天候が悪いと「ナカダイシが雨で天候が悪いので、来年は中稲が違い(不作)だ」などという。