正月を迎えるために、ムラで行う行事としては、神社に幟を上げ、氏子が集まって新年会などという集まりを持つ事例が多い。幟は、元日だけあげるという地区もあるが、一日から三日までの三が日あげるとか、加えて一月七日、一月一五・一六日にもあげるという事例もある。新年会は元旦式とか御神酒といわれ、ムラの成員の初顔合わせといった趣旨で行われている。内容としては、簡単な宴席のみである。地区によっては、近年行われるようになったという例も少なくない。
また、神社によっては、参拝する氏子などに赤飯やお神酒などを振舞うという事例もある。和戸の宇宮神社では、正月一日に当番が幟をあげ、赤飯一斗を炊き、参拝の人に配り、御神酒も出すという。
このほか、観音経の転読を行う地区では、元日に行うという例もある。道仏では、大正年間まで観音行を行っていた。二月一日の月遅れの元日には、午前中に神主を呼んで祝詞を上げてもらう。また、以前は祭典の後に観音行を行ったという。