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山崎のお籠り

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 山崎では、三月の初めての午の日を初午といい、この日の前夜には男の子供たちがお籠りをする。お籠りは、山崎の鎮守である重殿社の境内に稲荷様があるので、この境内で行う。丸太を何処からか持ってきて、これが四隅になるように立て、この周囲にムシロを立て風除けにする。その中一晩籠るのである。ムシロの中の中央には、穴を掘って囲炉裏にし、薪を集めてきて燃やして暖をとった。
 この行事に先立って、子供たちはムラ中の家を全部廻って、お籠りのカカリをもらって歩いた。だいたい一銭くらいずつで、このお金で菓子でも買って、お籠りの晩に食べたものである。また、観音行の太鼓を持ち出して叩いたりしながら、一晩を明かした。