逆井では、逆井の鎮守である稲荷様の祭りを二月初午に行う。この初午の前日の晩から、子供たちのお籠りがあった。これは一〇歳から一五歳の男児の行事である。年長者がオヤカタとなる。お籠りは、稲荷神社の境内にムシロを持ち寄って小屋のようなものを作り、その中で一晩明かすのである。また、オヤカタの子供の家で、醤油のおむすびなどを作って食べさせてくれた。このお籠りに先立ち、初午前の日曜日には、お灯明銭を集めた。集めたお灯明銭で菓子を買って、お籠りのときに食べたものである。昭和三〇年代を最後に現在は行われていない。