ビューア該当ページ

姫宮のお籠り

279 ~ 280 / 772ページ
 姫宮では、旧暦の二月に入って初めての午の日を初午といい、小学生の男児がH家の氏神であるお稲荷様などにお籠りをした。お籠りをする稲荷様のある家の納屋などに畳を敷いて、神社の太鼓を借りてきて、叩きながら夜遅くまでおきていたのである。このお籠りの前に「初午のカンケイだからくださいよ」といって姫宮とその隣の地区まで一軒ずつ廻り、集めた金でお稲荷様に上げる豆腐や油揚げを買って、あとは自由にお菓子を買った。誰かが供えた絵馬がお稲荷様にあり、それに麻縄をつけて首からさげて台にし、そこにお金をのせてもらった。この行事は第二次世界大戦直後まであった。