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須賀上の百万遍

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 須賀上では、四月の第一日曜日に百万遍を行う。以前は、三、四〇軒ある須賀上地区の各家を一軒ずつ巡り、数珠を回して百万遍をした。各家では、アラレやふかしたさつまいもを用意してもてなした。このアラレをもらうため、子供たちが手拭を縫って作った袋を持って一緒に歩いた。しかし、車の交通量が増えて危険になってきたので昭和四九年からは当番が四人で、門や屋敷の入口で鉦(かね)を叩いて廻るだけとなった。各家では簡単なお菓子を用意して迎えるが、それでも廻り終わる頃は夕方になっている。この行事は子供の流行病を鎮めるために行うという。昔、百万遍を一度やめたところ病気が流行したので再開したことがあるという。百万遍は、四月二一日の御影供と七月一八日の久喜の天王様の日にも行われる。現在でもこの日には真蔵院に二、三〇人集まり、大きい数珠を皆で回す。また、昔は百万遍の日はショウガツ(アソビシ)で、農作業は休みになった。

4-15 百万遍(須賀上)