中須では、九月一日に二百十日の前祝いといって観音行といって百万遍を行った。この二百十日はアレ日で、この後二百二十日まで台風が来ないと豊作であるといい、この前祝いをするのである。薬師様の座敷に大きな数珠を出し、鉦の音頭で経を唱えながらこの数珠を回す行事である。この大きな数珠には、一箇所に房がついていて、この房が自分のところに回ってくると、頭まで押し上げて、頭を清めるものである。このように、観音行というものの内容は百万遍である。この行事は、第二次世界大戦前には行われていたが、現在は行われていない。
中須の観音行(百万遍)