金原では、春と秋の彼岸の入りの日(初日)に、彼岸オトキといって千地蔵参りと百万遍を行う。千地蔵は、彼岸と彼岸の間に亡くなった仏のために行うもので、千枚の地蔵様のお札を参加者が付近のお寺の石の地蔵様に貼って歩く行事である。これが終わると、遍照院で百万遍を行うのである。百万遍は、座敷一杯に広げられる大きな数珠を回しながら「ナンマイダー、ナンマイダー」と唱える行事である。数珠を回すときには、数珠の円の中に鉦たたきと唱えた数を数える者の二人が入る。唱えた数を数えるときには、マッチ棒を使う。回している間、数珠の房が自分のところにくると、頭を下げて房をかかげるような動作をする。また、数珠を回し終えると、数珠を身体の悪いところにこすり付けると治るといわれる。簡単に飲食して、行事は終了する。