逆井では、七月の初めての酉の日である初酉にお獅子様を行う。これは姫宮神社から獅子頭を借りて行う行事で、前日の夕方に各組(西、蓮谷、平沼、野久保)から一人ずつ出る当番が神社まで借りにいく。借りてきた獅子頭は、集会所に一晩置くことになる。当日は、午後一時くらいに集会所に集合して、ムラ中の各家を廻った。廻るときには、お天狗様が先に行き、この後に獅子が続く。お天狗様や獅子は若い衆(三五歳までの男子)が扮するが、これに他の若い衆や子供たちがついて歩いた。各家では、トボグチでお天狗様が家の者をお祓いし、獅子が口をパクパクして悪魔を食べる仕草をする。その後、獅子頭をワッショイワッショイと担いで土足のまま座敷に上がり込んだものである。廻っている間は、田んぼの中に入ったりしたものであるという。最後は集会に戻り、その後夕方には、当番が姫宮神社にお獅子様を返す。獅子を姫宮神社に返すときにくじを引き、作物の収穫を占う。くじは一、二、三とあり、一を引くと豊作、二を引くと普通、三を引くと不作となる。現在は、ムラを廻らなくなり、集会所に置いたままになっている。このため、午後一時からムラの者が集まり、一杯飲むようになっている。
4-16 逆井のお獅子様の吉凶占い