東では、四月上旬にお獅子様という厄除け・疫病除けの行事を行った。以前は、隣接する川端も一緒にお獅子様の行事を行っていた。また、川端では、伝染病が流行すると臨時にお獅子様を出したこともあったが、現在では東だけで行われている。
お獅子様は、天狗の面と一緒に昔から東のY家に保管されており、当番がこのお獅子様を朝借りに行き、五社神社に持っていく。五社神社に御神酒をそなえ、これをいただいてから、天狗の面を被った当番を先頭にして、お獅子様を持った人を中心にして、東の各家を廻って歩くのである。各家では、天狗の扮装をした当番が御祓いをし、お獅子様が家の者の頭を噛む。その後、お獅子様の一行は、土間のアガリハナから座敷に上がり、ヒロマとダイを土足のまま通って、ダイから直接外に出て、家の中を通り抜ける。また、各家ではこの一行にお茶と重箱に茶菓子を出すが、茶菓子は当番が集めて後で子供に配った。各家を廻る途中、ムラ境に辻札(大札)を立てる。西の中寺との境は西光院の前の道の中寺との境界に、藤曽根との境はムラ境の橋のたもとに、南は西光院前の道を南に進み隼人堀にかかる半縄橋のたもとにそれぞれ立てる。現在、川端と一緒にお獅子様を行っていないので、川端境である東武伊勢崎線の踏切に立てているが、川端と一緒に行っていたころは、三千界橋に立てていた。