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八河内のお獅子様

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 八河内では、四月五日にお獅子様という厄払いの行事を行った。この行事で使うお獅子様は、騎西町の玉敷神社から借りてくるものであった。玉敷神社のお獅子様は霊験あらたかで、行事をやめてしまったところ、ムラに伝染病が流行したことがあった。これは、お獅子様をやめたのが原因であろうということになり、復活して現在に至っている。

4-19 お獅子様(八河内)

 お獅子様を、玉敷神社まで迎えるときには、四人で自転車に乗って行き、神社から八河内までは担いで歩いてきた。このため、日の出のころには出発したものである。昭和四〇年代になると自家用車で行って、お獅子様も車に乗せて迎えるように変わった。借りてくるのは、お獅子様の納められた櫃と天狗の面、木製の剣である。
 お獅子様をムラにお迎えすると、一旦ムラの鎮守である稲荷神社に納め、引き続いてムラ中の各家を廻る。一行は櫃を持つ者、天狗の面と剣を持つ者、お札と賽銭箱を持つ者が中心である。各家ではこの一行が、デエから土足のまま上がり、アガリハナに抜けたもので、歩く場所には新聞紙でも敷いておいた。特に、各家では櫃を家人の頭の上に差し上げ、振ってカラカラと音をさせたものである。また、各家ではお札をいただき、お賽銭を納める。お札は雨戸の内側に貼る。正午くらいには廻り終わって稲荷神社に戻り、御神酒をいただき、お賽銭の計算などを行う。午後になると、現在は自家用車で、以前は歩いて騎西に送った。