町内では、七月中旬から下旬にかけて、祭礼を行う神社は比較的多い。特にムラの鎮守と目される神社の祭礼が比較的多く行われている。特に、稲荷神社に関しては、一般に二月もしくは三月の初午を祭礼日とする傾向が強いが、町内の鎮守として祀られる稲荷神社の祭礼日も、この時期に多く行われている。行事内容としては、神主を呼んで祭典を行い、その後、直会(なおらい)の宴席を持つ程度で、特徴的な内容は見られない。しかし、この祭礼の際に親戚を呼ぶとか、餅や赤飯を作るとか、嫁入り直後の嫁を神社に参拝させるなど、地区の鎮守社の重要な祭事として位置づけていることがうかがえる。一方で、一般にこの時期に多い祇園とか天王様と称する祭りが多くみられるが、町内では見られない。
4-20 夏の祭礼(和戸 宇宮神社)