和戸の浅間神社の祭礼は六月三〇日に行われ、「うら浅間」といわれている。祭典は午前九時から行われ、県道岩槻幸手線から浅間神社までの参道に灯籠が灯る。境内ではお札、お守り、破魔矢などが販売される。なお、この日には、昭和四五年までは山車が出た。山車には祭り囃子の囃子連が乗って祭り囃子を演奏した。囃子は太鼓三人、笛二人、鉦一人ほどで、杉戸町茨島の囃子連を頼んだ。このほか、山車の前には、島田のかつらに化粧をして女装した若い衆が歩いたりした。御成道を曳航したもので、露天商も多く出て賑わったものである。この祭りは、周辺地域の夏祭りの先陣をきって行われるもので、この日までに田植えを終わらせたものである。また、「和戸が山車で高野は神輿だ」とか、「和戸が雨だと高野は天気だ」と七月中旬に行われる幸手市上高野の祭りと並び称せられたという。
4-22 和戸の山車(吉岡氏所蔵)