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沖の山の観音行

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 沖の山では、昭和三〇年ごろまで二百十日に観音行と呼ばれる行事が行われてきた。これは二百十日である九月一日と二百二十日である九月一一日に行われるもので、大太鼓一つと小太鼓二つを叩きながら観音経を唱えるという内容である。太鼓を叩く撥を手品のように回しながら間を取る難しい芸当でもあった。二百十日と二百二十日の災難除けと豊作祈願のためといわれ、沖の山の鎮守である天神社で行われた。また、前読みといって、必ず二百十日、二百二十日前にも行わなければならないとされた。