九日の祭り当日は、午後一時くらいに甘酒造りを行った総代の家から神社に甘酒を運び込む。まず神社に一升瓶に入れて供え先達に拝んでもらった後、参拝にくるムラの人々に振舞う。この甘酒が振る舞い終わると祭りも終了する。
お焚きあげは、鷲宮神社で藁や薪などを燃やす行事である。一八日の昼間に、当番の耕地の人たちが麦藁や稲藁、薪などを集めて廻り、これを神社の境内に積んでおく。これを少しずつ鷲宮神社の前の御成道の路上で山にして、お焚き上げする行事である。お焚き上げは、先達が拝んでから、午後五時くらいに開始し、午後八、九時くらいまで燃やしていた。賑やかな祭りで、大道店(露天商)も多く出た。お焚き上げが終わると、当番の耕地の者は、神社に翌日の朝まで籠るものであった。現在は、晩のうちにすべて終了し、籠ることはない。
また、この日はおひまちなので、餅を搗いて大福餅(あんこ入り)を作る。この大福餅をおひまちの晩のうちに五個か七個神社に供えに行くものであった。供えられた大福餅は、お籠りをしている当番が食べ、それでも残った物は翌朝持ち帰った。
4-25 甘酒祭り(沖の山)