4-27 行基様の掛軸(部分・西光院所蔵)
このほか、西光院では、三月一日の夕方から二日にかけて、雹雷除けのお札を出す。これは、お籠りに参加しない西原、山崎、宿、道仏、台の越、町外では御堂(春日部市内牧)、慈恩寺(岩槻市)、並塚や才羽(杉戸町)などから受けに来るのである。お札を授与するのは、堂番を勤める家が二軒あり、この家がお札番をする。お札は二枚授与し、内一枚は苗代に立てると稲に虫がつかないとされる。
逆井は、行基菩薩が西光院を後にして、逆井の渡しまできて休憩したという。そのとき、ムクの木の杖を地面にさしたまま出発し、このムクが根付いて大きくなった。逆井では、このムクの木を御神木として行基様を祀っている。この行基様では、縁日を二月二日とし、逆井の旧蓮谷村分の地区では、この日を縁日として集会所で宴会を行う。以前は近くにあるミセで飲み講を行っていた。