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御影供

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 四月二一日(旧暦三月二一日)は御影供である。この日には、西光院で法要がある。この行事は、承和二年(八三五)三月二一日に入定した弘法大師の御影を掲げて、報恩感謝のために行う法要である。西光院本堂で行われる。かつては、西光院の下寺(末寺)や春日部の寺町から一〇人ほどの僧侶が集まって法要を行っていた。

4-28 御影供

 第二次世界大戦前、御影供の日の西光院は、多くの参詣客で賑わったものである。このため、見世物やシバヤ(芝居)、サーカスなどのほか、多くの露天商も出た。ござや座布団持参でシバヤ見物に行ったものという。また、たくさんの人が集まるため、青年団が参詣者の乗ってくる自転車預かりを行うなど、この周辺ではもっとも大きな縁日であった。このため、御影供には、東やその周辺のムラの家では、嫁に出た者などの親戚を呼んだものである。朝早く草餅を作って、親戚に配って歩いて招待する。このほか、この一年に嫁入りした者が、姑様や叔母・義姉などに連れられ、江戸褄を着て、髪は島田に結ってお参りしたものである。