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川島の月念仏

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 川島では、毎月(正月と八月を除く)、月念仏を行っている。これは、おばあさんたちが、葬式や法事のときに呼ばれて行う念仏で、練習をしなければならないので、毎月一回、家順に回って来る当番の家をヤドにして行っているのである。
 この念仏を行う集団は、川島の上、下、切戸の三つの組にそれぞれあったものであるが、現在は切戸にはなくなってしまった。念仏の内容は、真言宗の勤行法規で、和讃などははいっていない。念仏は、太鼓と鉦に併せて唱えるものであり、両方とも同じリズムで叩くことになっている。念仏の回数を数える人と、太鼓を叩く人、鉦を叩く人が前に先に立って行うもので、一番よくわかる人は、数を数えたものである。念仏は約四〇分かかり、途中でお休みが入り、このときお茶を飲む。