その年の代参者が代参から帰ると、代参者は全講員の家を回って代参先からいただいてきたお札を配るのが一般的であった。ただし、地区によっては、お札配りとかお札受けなどと称し、全講員が集まりを持ち、その場でお札を配るという例もある。西では、代参から帰るとお札受けといい、講員が集まって代参者がいただいてきたお札を頒ける集まりがあった。藤曽根では、代参から帰るとお札配りといって集まりを持ち、代参者がいただいてきたお札を頒ける機会があった。この際、翌年の代参者を決めるくじ引きも行われたという。松の木島でも、代参から帰ると、代参者の中で家の大きな家をヤドにして、講中で集まってもらってお札を配ったという。
このほか、代参者が代参から帰ると、「正月」と呼ばれる農休をしたという伝承は多い。山崎では、大山講と榛名講の二つの講の代参が帰ると、正月と呼ばれる農休が出た。これは、昼を食べた後の半日休みであったという。辰新田では、大山講の代参が帰ると大山正月、榛名講の代参が帰ると榛名正月、板倉講の代参が帰ると板倉正月といって、講ごとに農休となったという。須賀島の大山講では、代参から帰ってくると四時正月になった。四時正月とは農作業のお茶の時間から休みになることをいう。