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お札

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 代参者は、代参に出かけると、御師から全講員に配るお札と、辻札と呼ばれる講で数枚いただくお札を頒けていただくのが基本である。辻札は、篠竹に挟んでムラ境に立てるものである。

4-34 榛名神社 辻札(字中付近)

 このほか、榛名神社で毎年正月一五日に行われる筒粥神事の結果の書かれた紙もいただいてくるという事例は多い。これは、その年の作物の作柄を占う行事で、この筒粥神事の結果を見て、その年の作付けの判断材料にしたという話も聞かれる。
 金剛寺の榛名講では、代参者は、代参に行って講員に配るお札と辻札をいただいてくる。辻札は、代参の翌日に須賀下境の用水路の端、東粂原境の妙本寺参道付近に立てたものである。辻札を立てると、全講員にお札を配って歩く。この際、お土産として塗箸を一膳程度添えたものである。
 山崎の榛名講でも、代参者は代参に行って、講員に配るお札と辻札をいただいてきた。このほか筒粥の紙もいただいた。全講員は、お札と筒粥の紙を一枚ずついただき、お札は泥棒除けとして戸袋に貼り、筒粥の紙も作付けのために用いた。辻札は二枚で、いずれもムラ境に立てた。