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[大山講]

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4-35 大山阿夫利神社

 大山講は石尊講とも呼ばれ、神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社を信仰する講である。宮代の町域では、榛名講と並んで比較的多く分布する講となっている。農業の神様であるという伝承が多く、町域がほとんど農業地帯である宮代町では、作神様として捉えられている例が多い。
 一方で、大山阿夫利神社を出世の神様とする伝承も多い。このため、男児は年頃になると初山とか初参りといってお参りするものとされた。だいたい一五歳くらいで参拝する例が多い。山崎の大山講は、作神様とされるが、出世の神様ともいわれた。このため、男が一五歳になると初山といって、大山講の代参者に連れて行ってもらうか、別に改めて行くなどしたものであった。姫宮の大山講も、農神様とされるが、男児が一五歳になると初山といって大山にお参りしたものという。「ヤマ(大山)には早く行くもんだ」といわれたといい、参拝から帰ると近所にお土産を配ったものという。道仏の石尊講は、出世の神様であり、男の若者は初参りしなければいけないとされた。