代参でいただいてくるお札は、主に二種類である。これは代参後、全講員に配るお札と、講としていただくお札である。全講員に配るお札は各家一枚ずつで、床の間や神棚などに納められる。講としていただくお札は、辻札とも言われ、主としてムラの入口に立てるものであった。このほか筒粥表をいただく例もある。大山阿夫利神社では、毎年一月七日に、その年の農作物の出来を占う筒粥祭が行われるが、この結果を記した表である。
若宮の石尊講では、代参者が代参すると、各講員に配るお札と辻札をいただいてくる。代参者が帰村すると手分けをして各講員にお札を配る。このとき茶飲み菓子を土産としてつけることが多かった。辻札は、講全体でいただいてくるもので、竹の笹に挟み、内野境、姫宮境、中須境、杉戸境の四か所に立てるものである。また、その年に作物の豊作や不作を占った結果の筒粥の紙も個人でいただき、以前は苗代の水口に立てた。中須の大山講では、代参者が代参すると、各講員に配るお札と、ムラ境に立てるお札をいただいてくる。代参から帰ると、代参者は各講員にお札を配るが、このお札は大神宮様の隣にでも納めておいたものである。ムラ境に立てるお札は、流行病がムラに入ってこないように立てるもので、ムラの上と下の境(宮東境と川島境)の水路に立てた。