沖の山には、大正一二年から昭和八年までの大山講の代参に使われた「大山敬慎講代参帳」が残されている。この史料は、代参の際に持参して、御師での支払いの領収書を書いたものである。このため、御師の氏名、代参日、御師への支払い、お札の数、代参者の人数などがわかる。
御師は笹子稲尾である。代参日は、四月一五日から四月一八日の間となっている。一五日が四回、一六日が三回、一七日が三回、一八日が一回といった内訳である。支払いは大正一三年が一二円であるほかは、すべて一〇円である。また、このほか毎年一円の茶代を支払っている。代参者は大正一三年、昭和三、四年以外は四人の記述がある。また、お札の数は毎年四五枚である。