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三峰講

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4-37 三峰神社


4-38 宮代の人が寄進した供養塔(三峰神社)

 三峰講は、埼玉県秩父郡大滝村の三峰神社を信仰する講であり、農家の神様である作神様とされる一方、盗賊除けの神様としても知られる。特に、三峰神社の神様のお使いである御眷属(ごけんぞく)は「オイヌサマ」といわれ、三峰神社自体をオイヌサマの神様とする伝承も強い。
 西には、三峰講があった。講元が西にいたので、自然と西中心の講になっていった。火伏・盗賊除けの神様とした。代参者は四人で、四月三日の代参であった。東武鉄道で現在の東武動物公園駅から羽生駅を経由して熊谷に出て、ここで秩父鉄道に乗り換え三峰口まで行く。ここからはバスやロープーウエーを乗り継いで神社に行く。三峰口から歩くこともあったという。神社で参拝後、近いこともあってお札をいただいて日帰りで帰る。代参から帰るとお札受けといって、講員にお札を配るために集まってもらった。各講員には火防と盗難除けともう一枚のお札を配った。火防はオカッテに、盗難除けは戸袋に貼り、もう一枚はいろいろなお札を貼っておく場所に貼っておいた。
 姫宮の姫宮神社の氏子の範囲である内野、松の木島、宿、山崎、西、姫宮では、五十人講と呼ばれる火伏、嵐除け、泥棒除けの三峰講がある。講元は姫宮神社の宮司で、講員は五五人であるため、五十五人講というのである。以前は五〇人であったため、五十人講といった。七月二五日に代参のくじを引き二人の代参者を決め、翌年の四月二日に代参が行われる。代参の際には、姫宮神社の境内にある三峰様に祀られた御眷属札を三峰神社に持参し、新しい御眷属札に取り替えてもらう。また、各講員には、三種類のお札を配る。この講のくじ引きに一回欠席したら、その年にかぎって泥棒が入ったので、必ず毎年くじ引きに参加している人がいるという。昔は三峰まで歩いて行ったが、昭和初期は羽生から秩父鉄道だった。また、現在は自家用車で行くので日帰りが可能だが、歩いて行く場合は泊まりがけだった。