雷電講は、群馬県邑楽郡板倉町の雷電神社を信仰する講であり、板倉講ともいわれる。文字どおり、雷除けの神様として知られ、また、農家の作神様としても認識されている。
代参は、ほかの代参講と同様に四月上旬の事例が多く、宮代町から近いこともあって日帰りで、それも自転車で行くという事例が多い。代参では、各講員にお札をいただくほか、榛名講や大山講のように、ムラ境に立てる辻札をいただくという事例も多い。
須賀上の雷電講は、四月に入ってすぐの花見のころに代参が行われる。代参は三人で、自転車で代参を行った。
川島の板倉講は、作神様として毎年代参を行っていた。神社には、自転車で行ったもので、途中高鳥の天神様などに寄り道をした。また、この講では辻札といって、ムラに何枚かお札をいただき、ムラ境に立てた。中須の板倉講は、雷除けの神様として毎年春先に代参を行う。近いこともあり日帰りで行った。各講員に配られるお札は、雷除けなのでトボグチのオモテ側(外側)に貼ったものである。須賀下の雷電講は、豊作祈願や雷除けのために年二回、四月上旬と七月中旬に代参を行った。四月は豊作祈願、七月は雷除けのためである。それぞれの際に、代参者は各講員に配られる雷除けのお札と、村中安全の辻札をいただく。辻札は四月には大山講や榛名講の辻札と一緒に立て、七月には雷電講のものだけ立てた。また、自転車で日帰りができることもあって、代参とせずに有志が集まっていくという事例もみられる。須賀島の雷電講は、雷除けの神様で、四月から五月の田植前に一〇人程度の有志が自転車で行った。講に行く目的はお札をいただく他、農作物の実地見聞でもあった。道すがら、よくできている畑があると肥やしの種類などを聞いて歩いたという。
一方、板倉の雷電様は、雨乞いの神様ともされる。和戸宿では、以前、夏に日照りが続くと雨乞いといって、有志が雷電神社に水をもらいにいった。雷電神社でいただいてきた水は、ムラの四方の境に竹の笹を挿して水を振りかけた。そうすると雨が降るという。