太鼓は、獅子の舞子が腰に付ける太鼓があるほか、締め太鼓が二つある。この太鼓が獅子舞の拍子を基本的に取っていく。この太鼓は、祭りばやしの小太鼓と同じような形であるが、祭りばやしの太鼓に比べて緩めに皮を張る。鷲宮神社の本殿に向かって獅子舞を奉納するときには、太鼓は拝殿に太鼓を置き、獅子が舞っている方を向いて演奏する。ただし、近所を回るときや境内の末社に奉納して回るときには、首からタスキのような輪状の布を、片方の肩だけ外したように下げ、この「タスキ」に太鼓を掛けて叩いて歩くものである。現在、保存会には太鼓の伝承者が五人いる。また、太鼓の伝承者は、獅子舞の途中ではいる歌をうたう。歌は、「隠し」と「平庭」という演目の中でうたう。