母子健康センターには杉戸・宮代の産婆(助産婦)が八~九人いて、毎月一回、往診による妊婦検診や、センターでの助産、産後のケアをしていた。杉戸母子健康センターで出産するときは妊婦は以下のものを用意した。
一 母子手帳・保険証
二 ねまき(二、三枚)
三 腰巻(二、三枚)
四 丁字帯(二、三枚)
五 腰ぶとん(新聞紙大のもの)
六 脱脂綿(五〇〇グラム)
七 ガーゼ(五メートル)
八 ちり紙
九 洗面具
一〇 箸・湯呑・吸呑
一一 白米七日分(二升三合)
一二 上履き
一三 どてら綿(一枚)
一四 新聞紙(二〇枚くらい、アイロンをかけたもの)
一五 消毒済のおむつ(一〇枚くらい)
一六 タオル(四、五枚)
一七 湯上げタオル(一枚)
一八 シッカロール
杉戸母子健康センターの設立により、乳児死亡率は低下し、昭和四二年には妊婦特別対策地区の指定が解除された。さらに、個人医による産婦人科が開業されたこともあり、杉戸母子健康センターは昭和五二年に閉鎖された。
5-9 杉戸母子健康センター 昭和39年 (杉戸 高田氏所蔵)