お七夜には産婆が生児を抱いて、姑や実家の母がオサゴを半紙で包んで、セッチン様などの家の神様に参る。産婆が沐浴させたあと、良い着物を着せて、荒神様・井戸神様・セッチン様を順に参る。荒神様に参ったとき、竃の墨を指先につけ、それを生児の額にちょんと付ける。これをクライボシという。セッチンは外にあるので、セッチン参りをするときは、日に当たらないように手拭いなどを頭に被せた。セッチンでは頭をさげ、お願いした後、もってきたオサゴなどを便所の桟や明かり取りの窓に下げた。「一生世話になるから」、「便所は危ないから」と参るという。
5-10 セッチン参りの供え物 (西原 S家)
セッチンに下げるものは家によってさまざまで、①豆とオサゴを半紙で包み、マメッカラ(大豆の枝)のもとに麻で縛ったもの、②カツオ節と米を半紙で包んだもの、③オサゴを半紙で包み、豆の箸を一膳つけ、麻や水引で縛ったもの、④へその緒を半紙で包んだものなどがある。また、便所で子供に食べさせる真似をするという家もあった。
西原のある家では、セッチン参りの後、お七夜のご馳走を出すという。