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床上げ

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 産後二一日目は床上げで、お産見舞いのお返しとして赤飯を炊いて重箱につめて、するめと一緒に産婆、親戚や近所に配った。こうしたお祝い事には頭から足まであるするめ(シリガシラという)を配った。
 川端では、出産の少し前から箪笥の引出しに二杯くらい反物を用意し、それを赤飯とともに配った。
 山崎では、空のお重を返すときは半紙に大豆一つかみや梅干五、六個を包んで返した。「年取ってしわになるまでマメに働くように」という意味である。
 床上げには産婦は生児とともに里帰りをした。リヤカーにゴザを巻いて夫が引き、産婦が生児を抱いていったという人もある。この里帰りでは農繁期だと一泊が限度で、「三日泊りは心苦しい」といった。実家から戻るときも重箱に一杯赤飯を詰めてきた。