5-12 初節供 昭和16年(男児) (知久氏所蔵)
5-13 初節供(女児)
東では昭和一五年くらいまで、男の子の初節供には大凧上げをした。月遅れの五月五日(新暦六月五日)でちょうど麦刈りが終わったころであった。凧は家の人の手作りで、昭和初期は家によって大きいものは三畳くらい、普通は一畳くらいで、長男の節供のときは大きい凧を上げた。大正時代はもっと大きかったという。大凧の絵は勇壮な武者絵が好まれるが、文字を書くところもある。近所で絵を描くのが上手な人に描いてもらったり、春日部や杉戸の提灯屋に描いてもらったりする。大凧の骨は縦に五本、斜交いに二本で、自宅の竹から作ったり、魚のウケを作るウケヤに頼んだりした。