戦前は男性は二〇歳の徴兵検査が終わると一人前とされ、二五歳くらいまでに縁談がきた。女性は一九歳から二三歳くらいが適齢期とされ、二五歳を過ぎると遅いといわれた。理想とされる夫婦の年齢差は二、三歳であったが、四つ違いは四という数字を忌むため嫌われた。また一つ年上の女性は「金のわらじを履いてでも探せ」といわれ、良い縁談であった。
昭和二〇年前後は戦争のため、男性で早婚の人は戦争に行く前に結婚し、晩婚の人は戦後復員して、二、三年してから結婚した。一方、女性は農家の働き手として早く結婚する風潮があった。理想とされる男性はおおむね「まじめで働き者」、女性は「気立てがよくて丈夫な娘」であった。しかし、寅年生まれの女性は「トラは千里行って、千里戻る」といい、出戻りになるからいけないといわれる反面、夫が戦争に行っても帰ってくるからよいとされた。