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祝儀の料理

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 祝儀に出される料理や引出物などすべてを隣組の女性たちが作っていたのは大正時代以前で、昭和初期の祝儀では引出物は仕出屋、料理屋や魚屋に頼む家があり、隣組の女性たちは祝儀で食べる煮物や天ぷらなどの料理を作ったり、給仕を手伝った。引出物はシャク(一尺)やシャクニスン(尺二寸)の折箱に鯛の尾頭付き・かまぼこ・きんとん・えび・煮物(ちくわ・ゴボウ・ニンジン・里芋)などが詰められていた。
 八河内ではオカッテオショウバンの指導で赤飯や煮しめ、ほうれん草のごまあえなどを作ったという。酒は昭和二〇年ごろには配給制であっても祝儀では特別に配給された。祝い事につきものの尾頭付きの魚は、戦争当時はふなの甘露煮であった。