棺には座棺と寝棺があり、寝棺の方が高価であったので、ダイジン(大尽)といわれる資産家に限られた。座棺の方が埋葬時に穴を掘る面積が少なくてすむ。座棺にする場合、死後すぐに湯灌し、死装束を着せて、男女とも膝を折って二人がかりで支えながら、棺桶の上から納めた。座棺の棺桶は一辺が三尺くらいの縦長の直方体か桶であった。夏は棺を汚さないように、棺の底に油紙や藁灰、着物のボロを敷いてから納めた。
戦後は寝棺が一般的になった。納棺後、棺を四方から縄で縛った。この縛り方を嫌って上棟式に餅を入れるツケハンダイを縄で縛るときは三方から縛った。