ビューア該当ページ

祭壇

445 ~ 445 / 772ページ
 祭壇は終戦後から作られるようになった。親戚から花が供えられ、棺の左右に飾られた。施主が供える花は白蓮といい、白い蓮の造花一対、金銀の蓮や輪花(わばな)(花輪)、生花は親戚が供える。造花は棺を売っている店で購入し、生花は花屋が飾った。また、十三仏の掛け軸や密教法具を寺から借りた。戦前、寺にはテラコヅカイという人がいて葬式のある家に届けたが、テラコヅカイがいなくなってからは隣組の人が借りに行くようになった。
 道仏では医王院から五本の掛け軸を借りた。中央が十三仏、向かって左に胎蔵界曼荼羅、向かって左に金剛界曼荼羅、その外側に真言八祖が四人ずつ描かれた掛け軸を下げたという。
 国納、金原、道仏では、葬式のとき使う密教法具(花瓶・飯器・鈴・独鈷・三鈷・五鈷・けいばん・香炉・六器・酒水器・塗香)はひとつの箱に収まっていて、これを借りた。

5-28 十三仏の掛軸(青林寺所蔵)