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通夜

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 葬式の前日は通夜である。夕方に始まり、親戚や近所、ごく親しい知人が線香やお金などをもってお悔やみにきた。住職に経をあげてもらう。読経のあと、隣組が用意した精進揚げ、きんぴらごぼうなどで食事をする。お酒は燗をしなかった。通夜は「死んだ人をひとりにしてはいけない」ということで、ろうそくと線香の火を絶やさぬように起きていた。
 川端では、通夜の晩は寺から借りた鉦を夜半まで叩いていたという。