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檀家

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 町内の多くは一つの寺院の檀家になっているが、前原・道仏・中島では二つの寺院とつきあいがある檀家がかつては多く存在した。それらの檀家は「西光院を檀那寺、宝生院や医王院を墓寺」、あるいは「幸手市の擔景寺を檀那寺、医王院を墓寺」としてつきあいがあった。たとえば西光院と宝生院との二重の檀家となっている前原のA家では西光院と宝生院の両方の住職を通夜・葬式・忌中払いあるいは年忌供養に呼び、布施を支払った記録が残っている。その家では戒名は檀那寺である西光院に授けてもらったといい、家によっても寺院との関係の細部はさまざまであるが、特筆すべき檀家制度といえよう。こうした二つの寺院の檀家になっている家は現在では数えるほどに減少している。